都内にある安さが売りの大衆居酒屋で、僕は友人の田中と呑んでいた。「どこかにイイオンナいねぇかなぁ…」そんなことを不機嫌そうな表情で田中が言う。どうやら田中は女に飢えているらしい。あたりを見渡せばサラリーマンばかり。こんなところにイイオンナなんてそうそういない。僕は田中の言葉を聞き流すようにグラスに入ったウーロンハイを飲み干した。話題も尽きたことだし、そろそろ店を変えようと提案をしようとした時、店の扉が開き、どう考えてもこの店の雰囲気には似つかわしくない若くて甲高い声が聞こえてきた。入口へ目線を運ばせると、やはりこの店の雰囲気とは対照的な若い女性が二人。どちらも美人だが、小柄な子の方が僕の好みだ。田中も彼女たちに気付いている。アイコンタクトで意思疎通をした僕らは、さりげなく彼女たちに話しかけ、一緒にお酒を呑む流れに持ち込んだ。彼女たちは都内の大学に通う女子大生。年齢はどちらも21歳。サークルもバイト先も同じで、いつも一緒にいる一番の親友だという。第一印象で僕の好みだった小柄な彼女の名前は「陽菜」ちゃん。笑顔が可愛らしく、艶があって若々しい肌。どんなくだらない話にも健気に応えてくれる彼女に僕は惹かれていった。場も盛り上がり、5杯、6杯とお酒がすすむ。ふと気が付くと田中と一人の女の子が姿を消していた。幸い、僕の好みの陽菜ちゃんは残っていた。「二人いなくなっちゃったねー。私たち、取り残されちゃったみたい。」と彼女は寂しそうな表情を作って僕の目を見つめてきた。僕らは店を出て僕の家へ向かった。
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